2012/01/27

盲導犬はかけがえのないパートナー/公益財団法人 東日本盲導犬協会

こんにちは。「とちぎナイスハート広め隊」です。

みなさん犬は好きですか?

私は、
夕暮れ時に愛犬と散歩したり、
楽しく遊んだりしている人を見かけると、
ついつい「いいなぁ~」と眺めてしまうんです。

たまに街で見かける盲導犬。
その姿は、かわいいというより、堂々としていますね。
お仕事をしている気持ちがまっすぐに伝わってきます。

でも、そのお仕事はどこで学んでくるのでしょう・・・。

というわけで、

写真:公益財団法人 東日本盲導犬協会

宇都宮市北西部、福岡町にある東日本盲導犬協会を訪ねました。
訓練部の板井尚子(いたい・なおこ)さんに、
盲導犬についていろいろ教えていただきました。

一緒にいたのは、イリアちゃん。
そもそも盲導犬は、どのように育っていくのでしょう?

板井尚子(いたい・なおこ)さんとイリアちゃん

(1) まず彼らは、ブリーディングウォーカーと呼ばれる、
お父さん・お母さん犬を育てているボランティアさんの家で生まれ、
2ヶ月ほど母犬やきょうだいとともに過ごし、犬同士の接し方を覚えていきます。

(2) かわいい盛りの子犬たちは、このあと人間社会になじめるように、
パピーウォーカーと呼ばれるボランティアさんの家で1歳をむかえる頃まで育てられ、「人が安心できる存在」であることを知ってもらいます。

(3) 1歳になると盲導犬協会に入学。
約1年間かけて盲導犬になるための訓練を受けます。
(イリアちゃんは今この段階です)
ちなみに犬の1歳は人間に例えると約18歳。元気いっぱいの年頃ですね。

入学前の楽しい生活から、新しい環境での訓練の日々。
そのギャップに犬がとまどったりしないんでしょうか。
板井さんに聞いてみました。

「入学してもすぐに訓練がはじまるわけではありません。
一頭一頭の性格や適性を考えて、育て方を慎重に決めていくんですよ。」

遊びのような楽しい時間を過ごしながら、
「Good(グッド)」というほめことばに併せてごほうびあげていると、
いつの間にか「Good」ということば自体がごほうびになっていき、
そのことば欲しさに訓練士の指示に従うようになってくるんだそうです。

そうやって少しずつ訓練に慣れていくんですね。

写真:犬と遊びながら

訓練の楽しさをおぼえると、半年もたたないうちに、
障害物をよけたり、段差や曲がり角を発見することができるようになります。
イリアちゃんも、板井さんの指示に従い、とっても上手に歩きます。

私なんか、よけたはずのものにつまずいて痛い思いをいまだにしています。

やがて、人混みの中で通行人をかわしたり、
「Go(進め)」の指示中でもキケンを感じたときには立ち止まって安全を確保したり、
次第に高度な技にチャレンジしていくそうです。

写真:パピーウォーカーと一緒に

「入学後、2ヶ月ごとにテストをおこない、
盲導犬になれるのは、10頭のうち3~4頭なんです」と板井さん。

盲導犬になれなかった場合には、キャリアチェンジボランティアのみなさんが、
家庭犬としてあたたかく迎えてくれるそうです。

(4) 1年間の訓練を終えると、
盲導犬を待ち望んでいた視覚障害者との共同訓練。
障害者の方にも、ユーザーとして必要なことを学んでいただきます。
そして晴れて、盲導犬としての生活がスタート!
盲導犬が仕事をするのは、2歳から10歳ぐらいまで。
人間の安全を守るくらしは、緊張の連続なんじゃないかと思いきや、
ハーネスを付けているときは仕事、外しているときは普通に遊んだりと、
生活の切り換えがしっかりできるそうです。

盲導犬はストレスで短命だなんて誤解もあるようですが、
メリハリある生活と行き届いた健康管理のおかげで、
家庭犬よりも長生きするケースの方が多いそうです。

さて、盲導犬の使命は、目の不自由な方を安全に目的地に導くことですが、
それさえうまくできれば、すべてOKでしょうか?

盲導犬のユーザーさんにとっては、道を歩くことが目的じゃなくて、
スーパーで買い物したり、レストランで食事したり、ホテルに泊まったりして、
障害のない人たちと同じようなくらしを営むことが目的です。

でも、「うちは盲導犬の入店おことわり」と言われてしまったら、
いくら盲導犬ががんばっても、その目的は果たせません。

身体障害者補助犬法という法律では、
盲導犬、介助犬、聴導犬を「補助犬」と呼んでいますが、
公共施設や交通機関はもちろん、病院、ホテル、スーパー、飲食店など、
いろんな場所に補助犬を同伴できることになっています。

かわいらしい「ほじょ犬」ステッカーが貼られた施設やお店、
街で見かけたことはないでしょうか。

写真:補助犬ステッカー

このステッカーは、こころよく補助犬を受け入れます、という目印。
もちろんステッカーがなくたって同伴できるんですが、
こうした表示があると、安心して利用できますよね。

大切なのは、盲導犬を育成することだけでなく、
私たちみんなが盲導犬を正しく理解し、受け入れることなんですね。

盲導犬がユーザーさんと過ごす二人六脚の日々はまたたくまに過ぎ、
やがて引退の日を迎えます。
10歳になり、大役を果たし終えた盲導犬は、どこへ行くんでしょう?

ここでまたボランティアさんが登場。
リタイア犬を引き取り、家庭に受け入れ、のんびりと余生を送れるよう、
愛情をこめてお世話をしてくださるそうです。

たくさんの人たちのあふれるような愛情に支えられて一生をすごす盲導犬。
そそがれた愛情にこたえようと、一生懸命はたらく姿を見ていると、
思わず「ガンバレ!」と声援を送りたくなりますが、
お仕事中の盲導犬に声をかけるのは厳禁とのこと。

写真:町で盲導犬を見かけたときの注意

来年の今ごろには、
イリアちゃんもどこかの街角で盲導犬として活躍しているかもしれません。
もし、そんなイリアちゃんに再会したら、
心の中で、精一杯のエールを送りたいと思います。

最後に板井さんは、こんな素敵なことばで締めくくってくれました。

「ただ道を歩くのではなく、
お互いに守るべき存在、共に生きるパートナーとして一緒に生きていくんですよ。」

写真:共に生きるパートナー

 

公益財団法人 東日本盲導犬協会

  • 住所: 〒321-0342 栃木県宇都宮市福岡町1285番地
  • TEL: 028-652-3883
  • FAX: 028-652-1417
  • E-Mail: info@guide-dog.jp
  • WEBアドレス: http://www.guide-dog.jp
  • 東日本盲導犬協会では、育成に必要なさまざまなボランティアさんを募集しています。また、サポーター制度や、募金、物品の寄付、チャリティグッズの購入など、ご負担にならない範囲でご支援いただくしくみも御用意しています。上記までお気軽にご連絡ください。
    あなたのナイスハートお待ちしています!
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コメント

“盲導犬はかけがえのないパートナー/公益財団法人 東日本盲導犬協会” への7件のフィードバック

  1. モー より:

    イベント時にちょうど募金箱があり参加させていたことがあります。未だに飲食店やスーパーに盲導犬が入れない事もありますよね。介助が必要な方々には大きな課題だなぁって思います。きっと『盲導犬』の周知に劣っている日本の現状なんでしょうか?『共に生きるパートナー』。この言葉が広く行きわたればいいです!

  2. ばお より:

    記事を読んで、イベントで盲導犬体験したことを思い出しました。
    見えない事の怖さで腰が引けた私を、力強くぐいぐい引っ張っていく盲導犬。
    なんて賢い動物なんだろうと驚きました。

  3. フクイチ より:

    介助犬たちはテレビでも特集されるなど最近では多く取り上げられ、社会的に認知が高まってますね。
    街中で実際に活躍する犬を見掛けたり、私の勤務先の館内規則で介助犬の入館許可がうたわれているくらい身近なものに感じられます。今日に至までには大変な苦労があったのだと思います。犬を預かるボランティアの一員に私自身、大の愛犬家で実際には世話の問題があって飼えてませんがいつかは手伝いたいと思ってます。その中で他県から引っ越してきたんですが栃木で野良犬や野良猫をほとんど見かけません!大変、素晴らしいことだと思います。だからいい介助犬が育つのかなと思いました。また引退後の介助犬についてのケアも大変重要です。早く力になれたらいいなと思う毎日です。協会の皆さん頑張ってくださいね!!

  4. iroha-famiry より:

     繁殖犬ボランティアしています。…なんて偉そうですが、単に犬が好きなだけです。預かっている犬に対する責任、それも犬の目線から見て当然するべき心、愛を降り注ぐだけなのです。自分を頼りにしている犬を大切にし、それがきっかけで人とつながりあえる。そんなきっかけをあたえてくれるセンター。これからもよろしくお願いします。そして、いっぱい犬好きのつながりを広げたいと思います。
     人のために犬の命が削られる…そんな危惧を板井さんは抱いていられるようですが、多分センターのワンちゃんたちと接すると皆さんはその考え方は間違っていると思われることでしょう。だって、誰かの助けになってそれを誇りと思えるワンちゃんだけが盲導犬となり、ちょっとゆっくりしたいなーというワンちゃんがキャリアチェンジ犬になるのですから。ワンちゃんは私たちと違ってお金で動きません。(まあ、当たり前?)。求められ、それに答えられることが彼らの誇りです。ってことでこれからもよろしくです。

     

    • とちぎナイスハート広め隊 より:

      「盲導犬はかけがえのないパートナー」への、コメントありがとうございます。
      ワンちゃんへの愛情がヒシヒシと伝わってきます。

      訓練士の板井さんからは、
      「盲導犬は短命ではありませんよ」
      「きちんと健康管理をされているので家庭犬より長生きですよ」
      ということを教えていただきました。

      こちらの記事の書き方のせいで、
      板井さんのお話がうまく伝わらなかったかもしれません。
      申し訳ありません。

      一般の方の中には、
      「盲導犬はストレスで短命」
      という俗説を信用している方も多いようですね。

      iroha-famiryさんのようなボランティアの方々をはじめ、
      訓練士さん、ユーザーさんの愛情をたっぷり注がれて、
      誇りを持って働いているワンちゃんたち。

      取材でお会いした候補犬・イリアちゃんも、
      とっても幸せそうでした。

      これからも「とちぎナイスハートニュース」をよろしくお願いいたします。

  5. ユミ・ライアン より:

    時間あるときは、足が向いてしまう【わくわくショップU】のみなさん(^-^)/ いつもありがとうございます。優しい笑顔に癒されます♪

    お弁当もパンも美味しい(^q^)
    一番のお気に入りは…ラク×2いす(名付けは私)
    牛乳パック500ミリの高さがジャストフィット★
    柄はリクエストして選んでもらいました。ワガママ聞いてくれくれた佐藤さんm(__)m いつもありがとう♪ 今度は、さおり織のぽーちを見つけに行こうっと。

    春がそこまで来てるね。気持ちがわくわくです♪花粉症の方はお気の毒ですが…辛い春の次に楽しい夏が訪れます(^-^; 笑顔でhappyを呼び起こしましょう★

    • とちぎナイスハート広め隊 より:

       わく・わくショップUで、これからも楽しい時間をお過ごしください。
       3月17日よりとちぎナイスハートフェスタが開催されます。イベントページをご覧いただき足を運んでみてください。
       これからもとちぎナイスハートニュースをよろしくお願いいたします。

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