2012/10/12

ひろげよう、スポーツの輪/栃木県障害者スポーツ協会

こんにちは!
ナイチュウです!

先日開催された障害者スポーツの最高峰、ロンドン・パラリンピック。
力いっぱい競い合う選手の勇姿に、胸がアツくなりましたが、もうひとつぼくの目を引いたのが、満員の観客席!

オリンピックスタジアムは、8万人収容できる大きな施設だそうですが、びっしり埋め尽くした観客が、夢中になって選手に声援をおくる様子に、圧倒されちゃいました。

選手たちを「アスリート」として応援する、世界中から集まったお客さんたち。
障害者スポーツが、世界中に浸透しつつあるんだなあと、実感したできごとでした。
そんな折り、身近なところでも、障害者スポーツを多くの方々に知っていただく取り組みが行われていると知り、その現場におじゃましてみました。

写真:明治小学校

この日訪れたのは、上三川町(かみのかわまち)にある、明治小学校。
そこに姿を現した3名の男性。
脊髄を傷めて車椅子生活を送る佐々木清美(ささき・きよみ)さん、耳が不自由な喜井寛(きい・ひろし)さん、目が不自由な加藤範義(かとう・のりよし)さん。
いずれも障害者スポーツに関わりのある方々です。

写真:関係の方々

栃木県障害者スポーツ協会では、障害を持ちながら様々な競技で活躍する方々を、県内各地の学校や企業などに派遣する、「障害者スポーツキャラバン活動事業」を行っているそうです。

講話や実技体験を通して、障害者スポーツをたくさんの方々に知っていただくことが目的なんだって

今回は、小学6年生の総合学習の一環として、この3名の方々が講師をつとめることになりました。

 

■車椅子バスケットボール 佐々木清美さん

写真:佐々木清美さん

最初におじゃましたのは、佐々木清美さんが講師をつとめたクラス。
体育館で、車椅子バスケットボールの実技体験が行われていました。

佐々木さんは19歳のとき、仕事中の事故で脊髄を損傷し、車椅子生活に。
38年に及ぶ車椅子バスケットボールの経験を持ち、「栃木県車椅子バスケット連盟」の設立にも力をつくした超ベテラン。

写真:佐々木清美さん

長年にわたり学校訪問などの活動を行ってきており、経験も豊富。
最初は緊張気味の子どもたちも、やさしく、分かりやすいお話に、いつのまにか夢中でした。

そしていよいよ実技体験!
まずは車椅子の操作に慣れるため、対抗リレーや鬼ごっこ。
ガンバレ!ガンバレ!と大きな声でチームメイトを応援する子どもたち。

写真:車椅子バスケ体験

「楽しい!おもしろい!」
「でも曲がり方がむずかしい!」

楽しみながらスピードの加減や曲がり方などを身につけていきます。

写真:車椅子バスケ体験

そしていよいよ車椅子バスケットボールの体験でチュ!
みんな初めてなので細かいルールはナシ。
ひたすらゴールを目指し試合開始!
上手にパスを回して、思いっきりシュート!

写真:受講後

「みんなうまく乗れてたね。僕なんか最初は今日のみんなより下手だった。
シュートなんか届かなかったんだよ。」

「これからはスポーツに限らず、なんでもいいから自分のやりたいもの、好きなものを見つけて、一生懸命やっていってほしい」
そう語る佐々木さん。

初体験の車椅子バスケで気持ちよい汗を流した子どもたちは、みんなすがすがしそうでした。

 

■クロスカントリースキー 喜井寛さん

次におじゃましたのは喜井寛さんのクラス。
喜井さんはクロスカントリースキーの第一人者。
ジャパンパラ競技大会のフリー種目3連覇や、聴覚障害のある世界中のアスリートが競い合うデフリンピックの日本代表に選ばれるなど、輝かしい実績をもつ現役の選手です。

写真:喜井寛さん

手話通訳者がサポートに入って、喜井さんの授業がはじまりました。
「クロスカントリースキーを知っていますか?」
クラスの大部分の子どもたちが手を挙げ、予想以上の認知度にびっくりした様子の喜井さん。

写真:一斉に手が上がります

赤ちゃんのときに、高熱で「感音性難聴」になったという喜井さんですが、スポーツ好きで、高校時代は陸上競技に打ち込んでいたそうです。
9年前、ある雑誌に掲載された、パラリンピック・ノルディックスキー日本代表監督の言葉と出会います・・・。
「ソルトレークにクロスカントリースキーで参加しよう」
その記事に感銘を受け、未経験の競技にチャレンジした喜井さん。

「なかなか簡単にはいかなかったですよ。
でもあきらめることなく、自分で考え、工夫し、努力しました。
その結果が良い成績につながったんです。」

「障害があるからできないのではなく、障害があるからこそ可能性を求めて突き進む。
そうすることで、人間的にも成長できました。」
競技を通じて学んだことを語る喜井さん。

写真:熱心に聞く生徒たち

「夢」について話が及ぶと、
「努力の積み重ねで夢は叶えられる。だからみなさんもチャレンジしてみて下さい。
失敗してもあきらめず、目標に向かって突き進むんです。」
そう語る喜井さんの言葉に、みんな熱心に耳を傾けていました。

写真;手話であいさつ

授業のしめくくりに、覚えたての手話で「ありがとうございました」とお礼する子どもたち。

喜井さんに授業の手ごたえを伺ってみました。
「経験や思いを伝えていくことで、子どもたちの役に立つ話ができたように思います。
これからの子どもたちには、心清らかに育ち、夢を与えられるような人になってほしいですね。」

 

■グラウンドソフトボール 加藤範義さん

写真:グラウンドソフトボール 加藤範義さん

加藤範義さんのクラスものぞいてみました。
加藤さんはグランドソフトボールという競技で、50年という経験を持ち、選手としてはもちろん、監督としても輝かしい実績をお持ちの方です。

グラウンドソフトボールというのは、「視覚障害者の野球」。
ピッチャーは、キャッチャーが指示する音を頼りに、ハンドボールぐらいのボールを転がし、バッターがこれを打つ。
昭和のはじめごろから、盲学校などで親しまれていたスポーツだそうです。
加藤さんは、グラウンドソフトボールの普及発展のため、全国を飛び回って活躍中!

写真;お話しの始まり

お話はまず、目が不自由な方の普段の暮らしぶりからはじまりました。
「いつもの場所にある物が勝手に移動されてしまうと分からなくなってしまう」、
「触ってみても区別がつかない物がある」
そんなとき、どうしてほしいか、どうやって区別するか、おもしろおかしく説明されるお話に、興味津々の子どもたち。

「音」、「におい」、「触覚」と、これらの感覚の「記憶」を頼りに、日々の生活を営む視覚障害者の方々。スポーツも、こうした感覚を総動員して楽しんでいるんだそうです。

写真:話途中

グランドソフトボールやサウンドテーブルテニスなど、目が不自由な方々が親しんでいるスポーツを紹介し、選手たちの競技にかける思いをお話いただきました。

「視覚障害者がスポーツをする上で、できないものはほとんどありません。
エスコートは必要ですが、やる気があれば何でもできるんです。」

写真:触覚をつかったゲーム

「触覚」を使ったコイン当てゲームや、視覚障害者用の「音の出る時計」で子どもたちを楽しませてくれた加藤さん。

写真:子供たちと加藤さん

「障害者スポーツの中には、みなさんが参加できる種目もたくさんあります。
機会があったら、ぜひ体験してみてください。」

ナイチュウにもできるものがあるかな?
ますます障害者スポーツに興味が湧いてきました。

 

実際に障害者スポーツに関わってきた方々からの貴重なお話を通して、子どもたちはそれぞれに「学んだこと」や「気づいたこと」があったようです。

これを機に、身近な競技として障害者スポーツに関心を持ち、各地で活躍するアスリートたちに声援を送り、一緒に楽しんでくれるようになるんじゃないかな。
障害者スポーツキャラバンは、来年の2月まで実施の予定だそうです。
興味をお持ちになった学校や企業の方は、栃木県障害者スポーツ協会まで問い合わせしてみて下さい。

 

栃木県障害者スポーツ協会

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