2012/02/15

ド迫力の「イスバス」を体感!(前編)/栃木レイカーズ

週末の夜、冷え切った体育館にあふれる熱気。
タイヤが床にこすれる音が響き、焦げたゴムのにおいが漂う・・・。
コートを縦横無尽に行き交う車椅子。
彼らが追いかけているのは、バスケットボール。

写真:コートを縦横無尽にかける車椅子

今回ご紹介するのは、「栃木レイカーズ」。
栃木県で活躍する車椅子バスケットボールチームです。

みなさんは『リアル』という漫画をご存じでしょうか?
大ヒット漫画『スラムダンク』を描いた井上雄彦(いのうえ・たけひこ)さんが不定期連載している作品ですが、この『リアル』人気の上昇とともに、車椅子バスケの認知度も高まりました。

プロ選手として海外で活躍する安直樹(やす・なおき)選手が考案した「イスバス」という愛称も、あちこちで使われるようになり、注目を集めるようになってきました。

「リアル」な「イスバス」を体感すべく、「とちぎナイスハート広め隊」は宇都宮市屋板町にあるサン・アビリティーズを訪ね、「栃木レイカーズ」の練習にお邪魔しました。

写真:想像を上回るスピードとパワー

「すごい!」
想像を上回るスピードとパワー。
急旋回、加速して疾走する車椅子。ゴール下で激しくぶつかり合い、ときには車体ごとはじき飛ばされ転倒!

写真:選手たちが目まぐるしくコートを駆け回ります

めまぐるしくコートを駆け回る選手たち。
この迫力満点の「イスバス」をもっと知りたい!
練習を見守っていた、代表の田所純一(たどころ・じゅんいち)さんに、ルールなどを教えていただきました。

「5人対5人、10分間を4クォーター、というのは通常のバスケといっしょです。
ただ、選手には障害の程度に応じて、1.0から4.5点の持ち点があって、5人の合計が14点を超えてはいけない、ってルールがあるんです。」

いちばん重い方が1.0点、いちばん軽い方が4.5点。0.5刻みで持ち点が振られるそうです。
軽い方ばかり5人集めても、14点を超えてしまい、出場できないというルール。

以前はみずからも選手として活躍していた田所さん。
「自分は交通事故で片足をなくしたんですが、病気で足を失った人、脊椎(せきつい)を傷めて下半身の機能を失った人、それぞれ違った事情で障害を抱えていて、その程度もまちまちです。そうした人同士がいっしょに参加できて、対戦するチーム間の公平性も保てるよう、こういうルールがあるんですね。」

写真:様々な障害者の方がいます

ダブルドリブルというバイオレーション(禁止行為)がない、というのも特徴だそうですが、そのほかはほとんど通常のバスケと同じ。
ボールを持って3歩あるいてはダメ、というトラベリングは、ボールを持ったまま3回車椅子をこいではダメ、というようなルールに。

コートの広さやゴールの高さも同じとのこと。
「車椅子から見上げるゴールは遠いんです。
バスケの経験がある人でも、車椅子に乗ってシュートすると届かないんです。
いかに足腰のバネを使って投げていたかってことですよね。
初心者はまずここで苦労します。腕力だけでゴールに届くよう、練習を積んでいくんです。」

みなさん苦もなくシュートを決めているように見えますが、これも練習のたまものなんですね。

写真:ゴールを決める

選手のみなさんが乗っている車椅子を見ていると、病院などで見かけるものとかなり形状が異なることに気がつきます。
背もたれは浅く、「ハ」の字に開いた車輪。軽量で、腕の力が伝わりやすく、旋回も速い。
競技用に洗練されたデザインの「バスケ車」。
自転車のロードレーサーを思い起こさせるカッコよさ!

写真:車イスは競技用の洗練された仕組みです

片手でボールを扱いながら、もう片方の手でこのバスケ車をクルクルと自在にあやつる技に、思わず見とれてしまいます。
ブレーキレバーなんて付いてないので、猛ダッシュの後の急停止も、手でコントロールするしかない。

摩擦でヤケドしないんだろうか? ただれてゴツゴツ、ザラザラの手のひらなんじゃないか?
気になってしまった私。
レイカーズ創設者のひとりである、大関秀樹(おおぜき・ひでき)選手に手を見せてもらいました。

写真:普段は事務仕事をしている手。綺麗です。

「きれいな手!」
思わず声に出してしまいました。
「普段は事務仕事をしていることもあって、割ときれいなんですよね」と大関さん。

しかし、よく見るとハンパじゃなく分厚い。
車椅子バスケを始めたばかりの方は、手の皮がめくれたりして大変だそうですが、練習を重ねるうちに摩擦に負けない手に変化するそうです。一度そんな手ができあがると、意外にもキレイなものなんですね。
なるほど、ルールや競技用のマシンのことはなんとなく分かってきました。
分かってくると、今度は選手ひとりひとりの声を聞きたくなりますねえ。

次回は「イスバス」に打ち込む選手のみなさんの声や、地域貢献の取り組みなどをご紹介したいと思います。

 

栃木レイカーズ

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