2012/02/08

スキーでひろがる笑顔の輪/栃木県障害者スポーツ協会

こんにちは、「とちぎナイスハート広め隊」です!

毎日寒いですね~。
でもこの季節、スキーに行きたくてうずうずしている人も多いのでは?
そんなあなたに、ぜひ知って欲しい世界があるので紹介します。

写真:スキー教室

今回私は、栃木県障害者スキー協会が主催するスキー教室に参加してきました。
那須塩原市のハンターマウンテン塩原のゲレンデで、障害をお持ちの方9人と、そのサポートや関係者、一般参加者も含め、30人以上のみなさんがスキーを楽しみました。

雪上の障害者スポーツには、障害の種類に応じて様々な競技がありますが、国際的な大会が行われている競技を見ても、次のような種目があります。

写真:スキーの競技種類

聴覚障害、知的障害の方々の競技は、健常者の競技とほとんど同じですが、パラリンピックでは、障害の種類に応じて「視覚障害」「立位」「座位」の3つのカテゴリに分けられているそうです。

「視覚障害」は、目の不自由な方を健常者が先導し、声や音でガイドします。
片足をなくした方などが参加する「立位」は、片足でスキーを履き、ストックの先に小さなスキーが付いたアウトリガーと呼ばれる補助具を使って滑走します。
「座位」は、1本のスキー板に椅子が据え付けられたチェアスキーと呼ばれる道具に乗り、アウトリガーで補助しながら滑ります。また、競技用ではありませんが、2本の板に椅子を乗せたバイスキーという道具は、より安定して滑ることができるので、上半身に障害がある方でも楽しめます。

いろんな障害を持った方が楽しめるよう工夫されているんですね。

そもそもいつごろから障害者スキーは普及していったんでしょうか?
栃木県障害者スキー協会の坂本裕明会長にお話をお伺いしました。

写真:坂本裕明さん

「日本で障害者のスキーが始まったのは、およそ40年前から。
神奈川県のリハビリテーションセンターが中心になり用具を開発。
近年では、メーカーや大学も研究開発に積極的です。
栃木県では、98年の長野パラリンピックに、地元・宇都宮市の黒須 高(くろす・たかし)さんが出場して以来、取り組みが盛んになりました。
そして2001年、黒須さんを会長(現在は名誉会長)に栃木県障害者スキー協会を立ち上げたのです」

写真:チェアスキー中の黒須さん

さっそうとチェアスキーを駆る黒須さんは、94年のリレハンメルパラリンピック銀メダリスト。
障害者スキーが一般に知られていなかった時代から、スキーに取り組んでいましたが、銀メダルを取って一躍脚光を浴びることに。

「当時は、テレビや報道で注目されて、正直あわただしく感じていました。ようやく最近になって落ち着いてきたように感じます。今はお世話になった人たちに、私がスキーを続けることで、恩返しがしたい気持ちでいっぱいです」

写真:チェアスキーの練習中

チェアスキーは、特に初心者の場合、腕力を必要とするので、ひとりで滑れるようになるためには相当時間がかかります。さらに上達するためには、本人の努力のみならず、協力してくれるサポーターの力が不可欠。

「私だって車椅子に乗ることもスキーを始めたことも、最初は何もわからなくて大変だったけど、こうして、たくさんの人たちの支えがあったから出来たんだと思っています」
そう話してくれたのは、今回、事務局スタッフとして参加していた、栃木県障害者スポーツ協会・副会長の佐々木清美さん。仕事中の事故が原因で、19歳のときから車椅子生活とのことですが、チェアスキーの滑りっぷりは見事。

写真:チェアスキー中の佐々木清美さん

ほかにも見事な腕前を披露していた参加者を発見。
鈴江啓司さんは、この教室に通いながら猛トレーニングを重ね、2009年、米国アイダホ州で開催されたスペシャル・オリンピックス世界大会に出場し、アルペンスキーの大回転とスーパー大回転の2種目で、見事銀メダルを獲得しています。

写真:鈴江啓司さん

鈴江さんのお父さんにお話を聞きました。
「スキーをしていると、自然と一体になって開放的になれるみたいです。
本人は“遊んでる”って言いますが、自由に楽しめるというのかな?
練習がつらいとか、今まで聞いたことがありませんよ」

スキーを始めて10年目、バイスキーを乗りこなす遠山昌美さんは、
「景色もいいし、すごくいい気持ち。まだ操作に苦労があるけれど、楽しんでいます!」
と、白い息混じりの明るい声で言ってくれました。

写真:バイスキーの遠山昌美さん

大きな大会で活躍する方も登場し、次第に障害者スキーの認知度も高まってきましたが、気軽に楽しめるスポーツとしてすそ野を広げていくには、まだまだ課題も多いとのこと。
障害者スキーの受け入れに慎重なスキー場や、駐車場やトイレなどのハード面でバリアが残るところがあるのも事実。
また、使用する用具が特殊なため、高価になりがちで、競技用のチェアスキーは50万円以上もするするそうです。
スキー教室参加者にあまり負担をかけずに楽しんでもらえるよう、他県の団体と用具を貸し借りして経費を抑えるなど、ご苦労も多いようです。

写真:スキー中の笑顔

「用具の問題もありますが、現地でサポートしてくれるボランティアの確保や、指導者の育成も課題だと感じています。スキーが滑れなくても、現場でお手伝いいただけることはたくさんあるので、もっと多くの方に知っていただき、支えていただけたらありがたいですね。」と坂本会長。

そうした課題を抱えながらも「一番嬉しいことは、参加された方々のたくさんの笑顔に出会えることです。ぜひみなさんと、“笑顔”を分かち合いたいです。」と語る坂本会長。
この日のゲレンデにも、たくさんの“笑顔”があふれていました。

写真:ゲレンデの笑顔

次回のスキー教室は2月19日(日)、同じくハンターマウンテン塩原スキー場で。
そして3月上旬にも予定しています。
誰でも気軽に参加できますので、興味を持っていただいた方はお気軽にお申し込みください。
詳しくは栃木県障害者スポーツ協会のホームページをごらんください!

写真:みんなの笑顔

 

障害者スキーに関する情報・お問い合せは、栃木県障害者スポーツ協会まで

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