2012/06/27

こころを「ミタス」、バリアフリー住宅/株式会社 オーリアル

こんにちは。 「とちぎナイスハート広め隊」です。

今回は宇都宮市で車いす対応住宅のプロデュースをしている、株式会社オーリアルの代表取締役、大塚訓平(おおつか・くんぺい)さんをご紹介します。

1980年、宇都宮生まれ。
大学卒業後、東京の会社で不動産業の経験を積み、25歳のときに地元宇都宮に戻り、独立。
愛する宇都宮を盛り上げようと、街おこしにも積極的に関わっていた大塚さんでしたが、2009年、不慮の事故に遭遇。

一命はとりとめたものの、脊髄を損傷し、車いす生活に。
半年のリハビリを経て、仕事に復帰した大塚さんは、それまで手がけていた事業用不動産の仲介業に加え、障害者の住環境整備にも力を注ぐようになったそうです。

そんな大塚さんが手がける車いす対応住宅とは、いったいどのようなものでしょうか・・・。

写真:大塚さんの自宅兼オフィス

大塚さんの自宅兼オフィスにおじゃましてみました。

自宅部分が、「ミタス」と名付けられた車いす対応住宅。

「ミタス」ってどんな意味なのか、大塚さんにお聞きしてみると、
「『み』んなが笑顔で 『た』のしく暮らせる 『す』まい・・・頭文字をとって『ミタス』なんです。」とのこと。

モデルルームとして公開されているご自宅に、一歩足を踏み入れると、広々とした玄関ホールが現れます。

ちょっと急なスロープ。気になって尋ねてみました。
「筋力を維持していく事を考えて、少しがんばれば上れる傾斜のスロープになっているんです。スロープが短くなればその分部屋を広くすることができますしね。」

写真:ちょっと急なスロープ

各部屋を結ぶ廊下はありません。
車いすに対応した廊下をもうけようとすると、120cm以上の広い幅が必要となります。
狭い廊下では車いすの回転ができず、バックで移動しているときに何かを踏んでしまったりすると、そのまま後ろ向きに転んでしまうことがあるそうです。
限られたスペースに、広い廊下を設置したら、肝心の生活空間が狭くなってしまう・・・。
そんなわけで、廊下はつくらず、片手で軽く開けられる引き戸で、各部屋をつないでいるそうです。

写真:引き戸の先にある部屋

キッチンは車いすに乗ったまま洗い物や調理ができるよう、考えられた設計。
「車いすが入れるよう、流し台の下のスペースが空いています。収納が減るので、その分を別に設ける工夫は必要になります。」と大塚さん。

写真:キッチンの下を開けて、車椅子で使える空間に

窓の鍵、電灯のスイッチ、コンセントなども、車いす利用者にムリのない高さを工夫。

写真:スイッチ、コンセントなども、すべて車いす目線

お風呂はどんな風になっているんでしょうか?
目に入ったのは、ちょっと高さのある脱衣場。
車いすからスムーズに移動できるような高さに設計されているんだそうです。
そして、脱衣場と同じ高さの洗い場、段差なく入れる湯舟。
それでいて、お湯が外へあふれないようなしくみになっています。

写真:お風呂もスムーズに利用できるバリアフリー設計

部屋のすみずみまで行き届いたきめ細かな配慮は、「障害があっても、自立して、自分らしく暮らしていく」ための工夫。

車いす利用者にとってのバリアを取り除くために工夫した設計が、一緒に住む他の人にとってのバリアとなってしまってもいけない。
そうした点にも気を配りながら、誰もが暮らしやすい住まいとなるよう、何度も打合せを重ね、納得できるものをつくりあげていくそうです。

課題は何かと伺ってみると、
「障害者自身は、バリアフリー住宅へのリフォームに消極的であることが多いと感じます。」と大塚さん。

それなりに費用もかかるため、申し訳ないという気持ちが先に立ってしまい、結果的に、かゆいところに手の届かない、中途半端なバリアフリーとなってしまうことも少なくないそうです。

写真:トイレももちろん、車いすで使いやすいように

「造作や取り付け方の工夫をすることで、安価に実現できる場合もあります。
使いやすさはもちろんですが、費用の面でもご相談に応じていますよ。」

家を建てたり改修したりすることは、そう何度もやり直しできるものではありません。
信頼できる方に、納得のいくまで相談することが大事なのではないでしょうか。

写真:大塚さん

オフィスで話を伺っていると、文字にハートマークの入ったカードがふと目に入りました。

「命があれば あとは かすり傷」

写真:ハートことばが書かれたカード

自分自身を奮い立たせるため、好きなことばにハートをあしらって書き連ねるようになったそうです。

いつしか「ハートことば」と呼ぶようになったことばの数々は、生きることへの感謝と喜びにあふれていて、私たちもたくさんの元気をもらったような気持ちになります。
“接しやすい障害者日本一”を目指している大塚さん。

ある日買い物をしていて、
「なんでこれに乗っているの?」と子どもに聞かれたことがあるそうです。

「知りたいでしょう!
事故で足が動かないから、この車いすが足なんだよ。
車いすに乗っている人が困っていたら、助けてあげてね」
そう答えた大塚さん。

このやり取りを聞いていた親御さんは、「ありがとう」とお礼を言ってくださったそうです。

写真:部屋の中を移動する大塚さん

最後に、大塚さんの夢を伺いました。

「健常者だった30年。その後車いすに乗って暮らす30年。
次に訪れる30年は、医学の進歩によって、自分の足でまた歩く。
僕はみんなの3倍楽しみます。」

頼もしい!!

そんな大塚さんの日々の活躍ぶりに興味を持たれた方は、下記のブログサイトをチェックしてみてください。

 

株式会社 オーリアル

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