2013/12/18

障害者が生き生きと働く企業から学ぼう/栃木県一般就労移行スキルアップ研修(全体研修)

こんにちは、ナイチュウです!

先日、ぼくは茨城県におでかけしてきたよ。
栃木県が主催する「一般就労移行スキルアップ研修」第1回目の全体研修として行われた、企業見学会があったんでチュ。

 

この研修は、一般企業への就職をめざす障害者を支援している「就労移行支援事業所」という施設や、こうした施設と連携して障害者を支援している関係機関の方々を対象に開催。
もっともっと障害者雇用が進むよう、関係者の支援技術を高めていこうという研修なんだって。

障害者雇用に熱心に取り組む企業の様子を実際に感じて、そこで働く方々のお話を直接聞ける貴重なチャンス。
ぼくも参加者のみなさんと一緒に、バスに揺られて一路茨城県へ!

 

まず到着したのは、茨城県坂東市にある、エフピコ愛パック株式会社茨城工場と、株式会社茨城ピジョンリサイクル。
いずれも食品トレイの製造などで高いシェアを誇る、株式会社エフピコのグループ会社です。

エフピコ愛パックは、障害者施設(就労継続支援A型事業所)という一面も持つ企業。
コンビニやスーパーで見かける、様々な形の食品トレイが、特殊な機械で加工され、社員の皆さんの手で組み立てられ、包装・梱包されていきます。
食べ物を入れるトレイなので、汚れや破損はもってのほか。
そんな気を使う作業を、テキパキとこなしているのは、障害のある20人の社員の方々。ほとんどの方が重い知的障害があるんだそうです。

 

工場内には企業秘密の機械がたくさんあるので、作業の様子を写真でご紹介することはできませんが、重い障害があるとは思えない仕事ぶりにびっくり!

「6年経って、今の姿があるんです」

案内してくださった社員の方のお話では、最初は受け入れる側にもとまどいがあったとのこと。
毎日ミーティングを重ね、そうしたとまどいや葛藤を乗り越えていったそうです。
今では、障害のある方を特別視するのではなく、普通に、当たり前に、社員のひとりとして働ける環境づくりに心がけているとのこと。

「社員旅行の二次会部屋に、当たり前のように障害のある社員がいて、同僚と楽しい時間をすごし、翌日みんなで二日酔い・・・そんな光景を見かけたとき、なんだかとてもうれしかったんです。」

障害者と健常者という区別なんか意味のない関係が築かれていることが、すばらしい仕事ぶりにも影響しているんだなあと、感心してしまいました。
隣接する茨城ピジョンリサイクルは、食品トレイなどのリサイクルするための分別作業を行っている工場。
高い障害者雇用率や専任の指導職員の配置など、障害者雇用のための特別な配慮がなされている企業である「特例子会社」の認定も受けているそうでチュ。

回収された様々な材質、形状のプラスチックトレイが、特殊な機械で分別されていきますが、シールが貼られたままのトレイなど、リサイクルに適さないもののチェックは、人間の目が頼り。
ベルトコンベアの上を次々に流れてくるトレイに目を配り、一瞬で不適品を見つけて取り除いていく作業は、神業のよう!
そうした作業を担っているのも、知的障害のある社員のみなさん。

「障害者だからここまで、これはムリ・・・という考えは取り払っていきたいんです。」

彼らの成長を支え、見守ってきた社員の方の言葉は、実際に高度な作業をこなしていく様子を見た上で聞くと、とっても説得力がありました。
つづいて向かったのは、桜川市にある三共貨物自動車岩瀬営業所。

こちらの営業所は、茨城県を拠点に150を超える店舗を持つスーパーマーケットで扱われる商品の仕分け、配送を担う、流通センターの業務を請け負っているとのこと。
約300のメーカーから納品されるたくさんの商品の種類と数をチェックして、県内外の店舗に配送しているんだって。

 

見学中、障害のある社員の方がペアになって、発注どおりの商品が納品されているか確認する作業を行っていました。
ここでミスがあると、必要な商品が各店舗に届かなくなってしまいます。
商品が届かなかったら、お客様にも大きな迷惑がかかってしまいますよね。

「精神障害のある先輩社員が、知的障害のある後輩と組んでこの作業をこなしてますが、ミスはほとんどないですよ。
うちの会社では、障害者が担当する業務を限定していないんです。」

そう語る所長さん。

地元の障害者施設から職場体験を受け入れたことがきっかけで、6年前から障害者を雇用しているというこちらの会社。
最初から順調だった訳ではなく、負担に思うこともしばしばあったそうですが、一人ひとりの仕事ぶりをきちんと評価し、業務を限定せず、それぞれに合った作業に就いてもらうように務めたところ、その能力を十二分に発揮してくれるようになっていったそうです。
今では「負担」どころか、「いないと困る」存在になっているとこのと。

「何をしてもらったらいいかわからない、何かあったらどうしよう、という戸惑いが先立ち、“とりあえず掃除でも”という企業は多いと思います。
ここでも掃除や草取りから始めますが、必ず他の社員も一緒にやります。
一緒に働いていると、それぞれの個性や仕事の向き不向きが見えてきて、その人に合った仕事が何かしら見つかるんです。」

一人ひとりに向いた仕事をきちんと見つける努力を惜しまないからこそ、会社にとっても「いないと困る」働き手として活躍できる場所が見つかるんですね。

 

今回の見学した企業に共通していることは、障害者を特別扱いしていないこと。
障害者の限界を決めつけることなく、その能力を可能な限り伸ばして、高度な作業をこなしているエフピコ愛パック茨城工場や茨城ピジョンリサイクル。
障害者の業務を限定せず、それぞれの個性や能力に合った作業についてもらうことで、会社全体の成果につなげている三共貨物自動車岩瀬営業所。

もちろん、文字が苦手な社員のために、色や絵を使った工程表示を行うなど、障害があるから「できない」と思われていたことを、「できる」ことに変えるための職場環境づくりには十分配慮しています。
その上で、社員の中に「自分は健常者、彼らは障害者」といったカベをつくらないことに心を砕いていることが、障害を持つ社員のみなさんの生き生きとした働きぶりにつながっているんだなあと感じました。
研修に参加したみなさんからも、それぞれの企業の方にいろんな質問が飛び交い、少しでも今回の研修を今後の支援に生かそうとしている姿が印象的でした。

 

たっぷり一日かけて学んだことを思い返しながらバスの外を見れば、キレイな夕焼け。
今日訪ねた企業で出会った障害者のみなさんも、一日の仕事を終え、この夕焼けをながめながら、心地よい疲れと満足感にひたっているのかなあ。
そんな風に思った、ナイチュウでした。

なお、この研修では、来年1月から2月にかけて、あと3回開催される予定でチュ!
発達障害、知的障害、精神障害について、それぞれの特性等に配慮した先進的な支援プログラムなどを取り入れている障害者施設の取組事例を学ぶとともに、施設関係者と企業関係者のワークショップなどを通じて、実践的な支援技術を身に付けようという内容です。

障害者の就職支援・雇用支援に係わるお仕事をしていて、興味がある方は、ぜひ参加してみてください!

詳しくはこちらのチラシをごらんください。

一般就労移行スキルアップ研修(個別研修)チラシ

 

研修参加の申込み・お問合せ

この研修は、企業や障害者施設のコンサルティング等を通じて障害者の働く場づくりに取り組んでいる、株式会社FVPに委託して実施しています。
研修の申込み・お問合せについては、下記担当者までお願いいたします。

研修委託機関 株式会社FVP

担当:田澤、川合

東京都千代田区内神田1丁目3番8ステージ内神田6F
TEL 03-5577-6913  FAX 03-5577-6914
http://fvp.co.jp/

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